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読書濾液の貯水箱

本を読んでいたことを忘れないために

ペンタゴン式目標達成の技術 を読む

1 はじめに
 
 自己啓発本関係の話をネットでしていたら
「こういうの読めよと薦めてくる人間は頭がおかしい」
 と言われたのに非常に納得しつつショックを受けたので、ではどうすればいいのか迷ったあげく
「名著じゃないなら要約だけ伝えればいいじゃない」
 という折衷案を採ることにした。
 最近話題になった「flier」というビジネス書の要約サイトもあるし、本の商品価値を貶めない程度であれば別にいいだろうと思った。

 と言う訳でAmazonの日替わりセールにかこつけて購入したのが上記の自己啓
発本である。分野としては小手先の技術が多めの本で、所々過激な側面も多い。この手の本は技術の上澄みだけを救ったらあとは蹴り飛ばす勢いで読むべきだと思う。ただ、ストーリーはあちこち面白いところもあった。

 投書は「こんなミスもできないクソ忙しいところで働く為のテクニックを伝授するよ」的な本なので、精神論の部分は真っ当かつ手段を選ばない部分が多い。軍隊のような四の五の言っている場合ではない場所ではあるだろうから、その点は納得した。

2ー1 呼吸「鼻から吸って口から吐く」

 呼吸法を行うことで精神を整えるという章。
 呼吸を整えろ! という最近はあまり見受けられない珍しい指摘だ。呼吸法は一行で書
けてしまうものなので逆に書くと不味そうなので、書かない。
 つまるところ、しっかり空気を吸い、心拍数を下げすぎず上げすぎず、いつもよりワンテンポ遅らせたような呼吸が重要だ、ということらしい。

2ー2 瞑想「1日10分、一人だけの時間をつくる」

 最近流行の瞑想をすべきという章。
 学術的にも有益であるということが最近アピールされてきている。これについては専用の本を買った方がいいが、インターネットで何をすればいいのかというのは比較的簡単に見つかる。
 有名どころで、TEDの「アンディー・プディコム『必要なのは10分間の瞑想だけ』」を見てみるといい。精神不調の予防になる。

2ー3 認知「あなた
はどのような人間か知ろう」

 常に自分を見直し、改善の余地を探そうという章。
 目新しいところであれば、日記ではなく「日誌」を付けるべきであるという視点だろうか。
 日記は単なる書き残したいことのメモであることに対して、日誌として一日の動態、行動を書き残し、その反省点や改善点を見直すということを行うことで、自分がどのような形で行動していたのか、どう行動していくべきなのかがわかるということである。
 別の本では、日記を付けることで自分がどう感じていたのか、どう問題を切り抜けていったのかを読み返すことで、今の自信のない自分を支え直すことができるという手法を書いていたが、どちらかというと精神的
なメンテナンスとしての側面が強いのに対し、日誌は非常に戦略的である。仕事のように一切を成長に向ける必要があることについては、こうした手段を執るべきではあると思うが、実際の暮らしすべてについて「この時間はもっと削れたのでは?」「この時間はもっと有益なことが出来たのでは?」と考えるのはなかなかのストイックさが必要になるのではないか。

 2ー4 知識「『自分が何を知らないか』を知る」

 自分に足りない知識を補おうという章。
 かの有名な警句を引用した章立てではあるが、内容は警句とは若干異なる。
 知識を「モチベーション」「ハウツー」「テクニック」の三つに分け、それらを満遍なく手に入れる必要がある
、と提示している。
 「モチベーション」は自分が頑張れるための知識、「ハウツー」は実行の際にそれを速やかに恙なく行える知識、「テクニック」は実行の為に必要となる知識と三分している。
 たとえば、「テクニック」は技術であり、本などで学びやすいものである。一方で、「ハウツー」は一般化しにくい範囲のものであり、所属する集団内やあるいは集団間で重要になるものである。しかし、それらも「モチベーション」なくては実行に移せない。
 こうした三種の知識のどれが足りないか、どれを身につけるべきかを意識することが大切であるとされている。
 当書ではこの章末に「モチベーション」強化のため、カーネギーの「道は開ける」
とナポレオンヒルの「思考は現実化する」を薦めている。個人的にはカーネギーだけで良いと思う。

 2ー5 健康「ペンタゴンは肥満を許さない」

 健全な魂は健全な肉体に宿るという章。
 どうやら、ウェストが一定以上太っているとクビになるのがペンタゴン。死にもの狂いで運動をしなければならないと思うが、どうやら「週に3日、各1時間の運動を業務として行う」ことになっているらしい。忙しくなければ業務途中で運動が出来るが、忙しくないなんてことはあまりないらしい。とはいえ、業務で定まっているともなれば、運動は欠かさないだろう。
 ちなみに当書はいくつかの筋力トレーニング方法が書いてある。非常に珍しく、もしそ
ういった本がないのなら間違いなく役に立つだろう。

 2ー6 自律「自分の限界を超える技術」

 いわゆる「頑張れ頑張れ出来る出来るどうしてそこで諦めるんだそこで!」の章。
 嫌いなので割愛。

 2ー7 時間「72時間ですべてが解決できる」

 時間をどのように扱うべきかという章。
 まず「年に1度は遺書を書く」ことで、自分に残された時間を直視し、今後の行動を引き締めるというテクニックがあるが、そこまで命の危険がある仕事をされている方は少ないので、あまり効果がない気がする。
 あとは、「72時間」で一つの問題に解決を与えよう、という意識を持つことを薦めている。多くの問題はグループで、72時間
を費やせば解決しうる、というものだ。
 ここで重要とされるのは「手当たり次第ではなく取り組む順番を決める」ということだが、そんなこと今更言われても感があった。

 3 さいごに 初めて買うならおすすめ

 決して名著になりうるほどの本ではなかったかもしれないが、一冊の本にかなり幅広い知識が詰め込まれている点では優秀である。そして一般的・基礎的な分野についてまとまっている点も高評価としたい。
 もしも上記の分野について別途何らかの本をお読みになっているのなら、これを買うべきという必要性は薄れる。
 ちょっとしたテクニックが役に立つことも多いかもしれないので、もしも薦めるのであれば悪い選択肢ではな
い気がする。