読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

読書濾液の貯水箱

本を読んでいたことを忘れないために

「アイディアを形にして伝える技術」を読む


0 本の情報
タイトル:アイディアを形にして伝える技術
著者  :原尻淳一
出版社 :講談社講談社現代新書
定価  :税抜き720円
 リンク等を張らないのは、自分の現環境では困難であるからだ。

1 はじめに さようならKindleはじめましてブックオフオンライン
 Kindle、君はいい友人だったが紙の良さがいけないのだよ。
 いや、Kindleは今後もマンガやら小説やら自己啓発本やらは買っていくと思う。でも、実用本はやっぱり紙じゃないと意味がないということに気がつき始めた。
 そんな私にブーストをかけて殴りつけてきた本が当書になる。(殴りつけてきた理由について今回は言及しない)
 とはいえこれも二〇一一年の本。2015年の今、これを受けてブログを書いた人も居るだろうし、これをブラッシュアップした本や意見も言われ尽くしているんだろうと思います。

 なんで今更この本を買ったか? 最近Twitterでフォローした「ストーリーの書き方」ってアカウントで拾った一文に惹かれたから。

2ー1 本の概要 アイディアを生み出すシステムを持つ
 この本は、「知的生産の技術(梅棹忠夫)」の本を皮切りにした技術体系を現代版にブラッシュアップしたものである。ただ、その内容はアカデミックな場というよりは、ビジネスの世界を対象としている。
 そうは言っても、新技術の利用はそこまで多くない。EvernoteTwitterを利用したインプット・アウトプットの方法を提示してこそいるが、その根底となる思想はほとんど「知的生産の技術」と異ならない。そして、本書で提示される手法は、今の技術を伴ってより実践的である。
 でも私が惹かれたのはそこではない。

 2ー2 本の抜粋と考え事 書く技術
 第五章「わかりやすく自分らしい文章術」では、文章を書くための原則と、自分のための「ルールづくり」についてが述べられている。
 
 まず、好きな文章・良い文章を抽出し言語化する。抽出に際しては、文章が表現したいこと、文章がだれに読まれるのかということを意識する。小説を書くなら好きな小説の作家あるいはジャンルを母体にするし、論文なら対象となる分野の論文が母体になるだろう。
 次に、抽出した文章が「なぜ好きなのか」「なぜ良いのか」を分析し、そこにルールを見いだす。文章の構成が良いのか、言葉遣いか、わかりやすさか、比喩か、リズムか……ということを、明文化して書き出す。
 最後に、そのルールを用いて実際に書いたものを見せる。そのルールが活きているのか、他者の目を以て確認しなければならない。自分が作ったルールが正しいのはあくまで自分の中までだからだ。

 こうした「ルールづくり」の技術には感銘を受けた。好きな表現のノートを作ったり、それを参考にする、なんてところまではわりと良く見かけていたし、実践もしている。けれども、ここまで技術的に「ルール化」されると、その「技術」と「目的」のための視点・視座を持てることに敬意を抱かざるを得ない。
 実際に書くために試行錯誤するのは当然かもしれないが、その「書く」以前の作法を洗練させていくことの大切さを心から感じた。

 3 おわりに 書くことへの真剣さ
 他にも、当書では何かをアウトプットするための小さな技術がつまっている。それは企画書であったり、プレゼンテーションであったりして、若手のビジネスマンを対象としている。
 良い物を生み出すための技術を洗練させ続けることは大切だ。それはアイディアだって同じである。技術を洗練させていくためには、生み出す「今」に真剣でなくてはいけない。
 疑問を抱く。枠組みを思う。より良いもののために何ができるか。そのためにはそもそも「より良いものをつくる」姿勢がなくてはいけない。
 本当に良い文章を作りたいのか?
 もう一度深く問いかけたい。